岡本では毎年、一月中旬から三月下旬にかけて植菌を行います。
岡本では1万2000本もの奈良県・大分県の良質な原木を使用しています。原木の種類は主にナラとクヌギの二種類で、この二つを菌の種類によって使い分けます。原木の品質がしいたけの出来に大きく関わってきますので、どれだけ良質の木を使うかが重要なポイントです。
約1mの原木に6連のドリルで等間隔になるように穴を開けていきます。穴と穴の間隔は、原木それぞれの大きさ・皮の厚さなどの状態を見て加減を行いながら、1列に6個前後を10 回、原木1本につき約60 個の穴をあけます。
穴を開けた原木に菌を植えていきます。100種類以上あるしいたけ菌の中から、仕入れた原木にあう菌を選んで植え付けます。菌はオガ屑(木の挽き粉)に植え付けられており、原木に植えやすい様に弾丸型に固められています。それを手で1個ずつ押し込んでいきます。
菌を植え終わった原木を枠に詰めて並べていき、枠の周りをシートで丁寧に覆います。この状態を、気温や湿度の変化に注意しながら3月頃~5月上旬まで保ちます。この間に原木に植えられた菌が徐々に成長し、ホダ木(菌が良くまわった状態の木)となります。
5月上旬に仮伏せの状態からホダ木を上下にひっくり返す「天地返し」を行います。これはホダ木を完成させる最終段階で、木によって11 月初頭~翌1月下旬頃までの間、この状態で菌を成長させます。
菌が木全体に蔓延しホダ木が完成したら、しいたけを発生させます。しいたけを菌から発生させるためには、きっかけとなる刺激を与えてやる必要があります。ホダ木を冷水に、季節や使用回数によって変わりますが、8~20 時間の間浸水させます。ホダ木を地面にたたきつけて刺激を与える場合もあります。
浸水したホダ木を2~3日水切りした後ハウス内に並べます。環境が整ったハウス内に移し管理することで、1年中の収穫が可能になります。浸水時から数え、夏季は7~8日、冬季は10~11 日でしいたけが収穫できるまでに育ちます。
しいたけの発生には自然発生と人工発生があり、菌の種類によってどちらに適しているかが分かれます。自然発生させる場合は、森の中の木々に囲まれた場所にホダ木を放置し、自然に委ねてしいたけが発生するのを待ちます。自然発生は晩秋から翌春にかけて発生、収穫できます。
毎日ハウス内を点検し、大きくなったしいたけを見極めて収穫します。
品質をチェックしながら、ひとつひとつを手作業で梱包します。
毎日少量ずつの出荷となりますが、新鮮でおいしい原木しいたけをお届けしています。
<©奈良食べる通信より引用>